2023.05.12
プレスリリース
当社が参加したオミクロン株の進化パターンの解明に関する研究論文が科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
当社メンバーが共著で参加した新型コロナ研究コンソーシアム【G2P-Japan】(主宰:東京大学医科学研究所 佐藤佳教授)は、適応度の高い新型コロナウイルス「オミクロン亜株(BA.2株、BA.5株、BA.2.75株など)」の出現の背景にある進化パターンを解明しました。
論文によれば、オミクロン株はスパイクタンパク質における重要な5ヶ所の変異を収斂的に獲得することで適応度を上昇させてきており、BA.5株から変異した「BQ.1.1株」は、全ての収斂変異を獲得して最も高い適応度を示し、感染性の上昇、高いCE2結合能、液性免除からの逃避能を示しました。
研究論文は2023年5月11日付「Nature Communications」(電子版)に掲載されました。
本研究では、当社の作成するiPS細胞由来肺細胞が、当該変異株群の感染・増殖性の評価に有用でした。
詳細は下記をご参照ください。
- 掲載論文について
- 雑誌名:英国科学雑誌「Nature Communications」5月11日付オンライン版
論文タイトル:
「Convergent evolution of SARS-CoV-2 Omicron subvariants leading to the emergence of BQ.1.1 variant」
https://www.nature.com/articles/s41467-023-38188-z
- 新型コロナ研究コンソーシアム【G2P-Japan】
- 研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」
東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤教授が主宰する研究チーム。
日本国内の複数の若手研究者・研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム・コンソーシアムとの国際連携も進めている。