2023.05.19
プレスリリース
当社が参加したオミクロンXBB株(通称グリフォン)の進化経路とウィルス学的特性の解明に関する研究論文が科学雑誌「Nature Communications」に掲載されました。
当社メンバーが共著で参加した新型コロナ研究コンソーシアム【G2P-Japan】は、XBB株は2種類のオミクロン株(BJ.1株とBM.1.1.1株)がスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD)で遺伝子組換えすることによって、高い実効再生産数(Re)を獲得したことを明らかにしました。2022年の夏ごろに南・東南アジア地域に出現したこのXBB株は、SARS-CoV-2進化史の中で遺伝子組み換えにより(Re)の明確な上昇が観察された初の事例といえます。
研究論文は2023年5月16日付「Nature Communications」(電子版)に掲載されました。
本研究では、当社の作成するiPS細胞由来肺細胞が、当該変異株群の感染・増殖性の評価に有用でした。
詳細は下記をご参照ください。
- 掲載論文について
- 雑誌名:英国科学雑誌「Nature Communications」5月16日付オンライン版
論文タイトル:
「Virological characteristics of the SARS-CoV-2 XBB variant derived from recombination of two Omicron subvariants」
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-023-38435-3
DOI: 10.1038/s41467-023-38435-3
- 新型コロナ研究コンソーシアム【G2P-Japan】
- 研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan(G2P-Japan)」
東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤 佳教授が主宰する研究チーム。
日本国内の複数の若手研究者・研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム・コンソーシアムとの国際連携も進めている。